海外で活躍する卒業生

[青年海外協力隊(パラオ)]

フィールドワークが、青年海外協力隊となるきっかけに

青年海外協力隊(職種:環境教育/パラオ)【学校での3R出張授業風景】
 大学卒業後、大手生命保険会社に一般職として入社し、海外事業部門の総務、経理を担当しました。約4年間の勤務を経て退職し、学生時代からの憧れであった青年海外協力隊の一員として、大洋州の島国パラオ共和国に赴任しました。政府の廃棄物管理課に配属され、環境問題に対する意識向上や、3R(Reduce, Reuse, Recycle)促進のための広報?啓蒙活動に携わっています。

 青年海外協力隊に行こうと思ったのは、大学3年生の時、地球市民学科のフィールドワークの授業でアフリカのマラウイ共和国に滞在したことがきっかけです。マラウイでの経験は、私の「発展途上国」に対するイメージを大きく変えてくれました。マラウイは、一日$1以下で生活する人が国民のほとんどを占めている、データだけで見れば世界でも貧しい国の一つです。しかし、ホームステイをした村の素朴な暮らしは「貧しくて苦しい」ものとは全くかけ離れた、笑顔が溢れるものでした。子供たちと満天の星空を眺めながら将来の夢を語り合ったことは、今も大切な思い出です。また、現地で活動する協力隊員の方々との出会いを通して、自分もいつか海外で暮らし、現地の人たちとの交流を通して、国際協力の分野に携わりたいと思いました。

 フィールドワーク以外にも、地球市民学科の実践的な授業の数々は、物事を多面的に捉える考え方を養う礎となりました。あの時学んだことが、社会人になってから、そして協力隊の生活の中でも生かされていると感じています。

大切なことは、仲間と一緒に仕事を進めていくこと

海外で活躍する卒業生(パラオ)【職場の同僚と】
 配属先での活動は、同僚のEducator(広報?教育担当者)と共に進めていきます。全国の学校を訪問して、3Rについての出張授業を行ったり、3R広報グッズの作成や、地域住民へのイベントの企画をしたりと多岐にわたります。
 3Rの授業は、クイズやゲームを織り交ぜながら進めていきます。パラオの子どもたちは、基本的にみんなとても素直でリアクションも良いので、毎回楽しく行えます。
 パラオは人口2万人の小さな国です。日々の活動がダイレクトに国全体に伝わることも少なくありません。自分のアイディアとやる気次第で、いくらでも可能性が広がるところが面白く、やりがいを感じます。現地での活動では、あくまでも配属先の一員として、パラオ人のスタッフと一緒に進めていくことを常に心掛けています。実際に、自分一人だけでできることは限られており、いつも仲間に助けられています。外国から来た私の意見に耳を傾けてくれ、いつも私を支えてくれる同僚には本当に感謝しています。

 常夏のパラオで、いつも笑顔で明るく、小さいことを気にしないパラオ人と一緒にいると、幸せに生きるために必要なことはとてもシンプルであることに気付かせてくれます。協力隊としての任期は間もなく終了しますが、振り返ってみると、教えることより教えられることの方が圧倒的に多かった2年間でした。この経験を生かして、国際協力の分野で貢献するのが今の目標です。大学、そして卒業してからのすべての経験が次のステップへ繋がっていくと信じています。
K.K.さん

[青年海外協力隊(職種:環境教育/パラオ)]

政府の廃棄物管理課
K.K.さん
2009年 地球市民学科 卒業
埼玉県立所沢高等学校 出身

*掲載内容は取材当時のものです。